今回はご自分、又はご家族等に行ってもらうセルフカラーの解説第2弾となります。
カラー解説第一弾セルフカラーの基本的な塗布方法は下記をご覧ください。
今回はセルフカラーとサロンカラーの違いを一般の方にもわかりやすく伝わるように、専門用語はできるだけ使わずに噛み砕いて記事にしていこうと思います。
本文の前に少しだけ自己紹介させてください。
新潟市で訪問美容をしている斎藤真輝といいます。
合格率2%業界最難関試験ヘアケアマイスター保持者です。
いろいろな情報が行き交っている時代ですが、多少は信頼して頂けるのではないかなと思っております。
セルフとサロンのカラーは何が違うのか?
まずドラッグストアなどで販売されているカラー剤(セルフカラー)とサロンで使われているカラー剤(サロンカラー)の違いをお伝えします。
大きく2点違う点があります。
薬剤の種類
まず薬剤の種類が違います。
セルフカラー剤は一般の方が綺麗に染められるように、という事を前提で作られています。
結果どうなるのか?
簡単に染められるように強力な薬剤を使うようになりました。
ちなみにどのくらい強い薬剤なのかというと日本の薬事法で定められている最高濃度の薬剤を使用しています。
そしてドラッグストアで売っているセルフカラー剤は全てが法令最高濃度で作られています。
※ここではセルフカラー剤=酸化染毛剤として記述しています。
しかし、ここで勘違いして欲しくない事があります。
確かに法令最高濃度の薬は強力なので皮膚や髪にダメージを与えます。
でも美容室でも最高濃度の薬は使用の必要があれば使います。
さらに海外では、日本の最高法令濃度の更に2倍の濃度が使われている事も事実です。
なので一般的にセルフカラーは非常に強い薬剤を使用していると言われていて、それは紛れもない事実なのですがサロンでも必要とあらば使うレベルの強さの薬剤とご理解ください。
逆を言えば、サロンでは最高濃度の強いカラー剤を必要最小限しか使いませんのでダメージレスにつながるという事も事実です。
更にサロンでは、色味の選定をする際に色味や明るさの異なるカラー剤を混ぜたり使い分けしてカラーできるので、仕上がりの色味の精度にも差が出てきます。
塗布技術の差
2点目の違いとなりますが、それは塗布技術の差です。
カラーは同じ薬剤を使用したとしても元々の髪の色や髪質に非常に大きく影響されます。
なので根元と毛先で色が異なる髪に、同一のカラーを同一のタイミングで塗布しては基本的に同じ色にはなりません。(真黒に染める場合などは例外です)
つまりデザインカラーや明るめのグレイカラー、アッシュ系のカラーなどは上記の色味の薬剤選定に加え、塗布技術も必要になってきますのでサロンでされることをおすすめします。
それぞれの得手不得手
わかりやすいように、より具体例を挙げながらそれぞれの得手不得手をご紹介します。
まずはざっくりとですが、施術内容とカラー種類の関係をご覧ください。
セルフカラー サロンカラー
ショートヘア ◎ ◎
ミディアムヘア × ◎
ロングヘア × ◎
暗めのグレイカラー ◎ ○
明るめのグレイカラー △ ◎
暗めのファッションカラー ○ ◎
明るめのファッションカラー × ◎
アッシュ系ファッションカラー △ ◎
ダメージ毛 × ◎
ハイライトローライト等デザインカラー × ◎
ブリーチ × ◎
以下各項目の解説を行います。
ショートヘア
これに関してはサロンカラーは勿論ですがセルフカラーにも適性があります。
短いのでカラー塗布も安易に行えます。
結果、色ムラも少なく比較的綺麗に染められます。
ミディアムヘア
この長さになってくると毛先と根元で色の違いが方が多いです。
それに加え長さがあるので均一な塗布もセルフカラーでは難しいと思われます。
ロングヘア
髪の長さ、根元と毛先の色の違いが更に強くなりますのでセルフカラーはおすすめしません。
暗めのグレイカラー
黒髪にするのであればコストの面から考慮してもセルフカラーをおすすめします。
ただし、ミディアム、ロングの場合、ムラになる可能性もあるので注意が必要です。
明るめのグレイカラー
セルフで明るめのグレイカラーを初めて使用する場合はあまり失敗しません。
ただし、二回、三回と使い続けていくうちに根本は明るいけど毛先が暗いという現象が起こってきますのでセルフカラーはおすすめできません。
髪色のセオリーとして毛先にいくにつれて明るくなるの自然に見えるのですが、毛先にいくにつれて暗くなるというのは違和感が生じてしまうのです。
耳が出るくらいのベリーショートの方でしたら、常に新しい髪にカラーを行う事になると思うので、セルフカラーを検討してみてもいいといいと思います。
暗めのファッションカラー
少しだけ明るくしたいという意味合いだけでとらえるなら、セルフカラーで事足りると思います。
しかし基本的にブラウンベースになってしまうと思うので、色味がほしい方は注意が必要です。
また、トーンダウンするのであればサロンの場合はダメージの少ない薬剤を使用します。
ダメージが気になる、という方はセルフカラーには注意が必要です。
明るめのファッションカラー
セルフで行うのはおすすめできません。
ムラになる可能性が高いです。
その上、仮にムラなく染められても希望の色味、明るさに染め上げるのは困難です。
アッシュ系ファッションカラー
アッシュ系をセルフで作るにはブリーチをムラなく数回行い、その上で髪色に応じたカラー剤の選定が必要になってくるでセルフカラーはおすすめしません。
ダメージ毛
ダメージが極端に進むと艶がなくなって絡まるといった問題だけではなくカラーやパーマが行えなくなってきます。
なのでそうなる前にサロンで相談、カラーを行うことをおすすめします。
デザインカラー
セルフでのハイライト、ローライト等のデザインカラーは困難です。
もしどうしてもやるのならインナーカラーを推薦します。
ブリーチ
非常にダメージも大きい上にムラにもなりやすいのでセルフはおすすめしません。
サロンで行ってもダメージは大きいですが、サロンによっては毛髪診断をするなりして良いアドバイスをもらえると思います。
目的に合わせたカラー選定
では実際のケースに当てはめてカラー選定をお伝えします。
白髪が気になって一ヶ月に一度黒染めをするベリーショートヘアのお客様のケース
非常に多いケースだと思います。
この場合、【ベリーショートヘア】【黒染め】という事がキーポイントになります。
上記の二つの条件を満たしているのであればセルフカラーでも十分染められます。
更に耳が出るくらいのベリーショートの方であれば明るさの表記4くらいまでの明るめの薬剤でも違和感なく染められると思います。
※サロンカラーとセルフカラーではカラーの明るさの表記が逆になっています。
本記事では市販品の明るさ表記で記載しています。
白髪が気になって一ヶ月に一度黒染めをするショートヘアのお客様のケース
これも多いケースです。
耳が隠れるくらいのショートヘアの方の場合は明るいセルフカラーはおすすめできません。
なので明るさが7〜6くらいが表記されている暗めのカラーでのセルフカラーが推奨されます。
自然な暗めの色を希望されているのであれば何の問題もないと思います。
ちなみに4などの明るいカラー剤を数回使っていると毛先が暗くなってくる現象が起こると思いますのでご注意ください。
お洒落をしたいけど白髪が少し気になり始めたお客様のケース
私自身白髪が増えてきて悩んでいる人間です。
そんな方はセルフでのカラーはおすすめしません。
サロンであればカラーの調合、使い分けなどで白髪を上手に生かしつつご希望に近い色にできます。
セルフでは残念ながら困難です。
仮にセルフで白髪染めを行なってしまうと非常に濃いブラウンベースの染料が半年から一年は残ることになります。
結果的にセルフカラー後は、色味のあるカラーや明るいカラーにする施術が難しくなります。
ハイトーンのカラーをされたあと数ヶ月が経ちプリン頭の方のケース
若年層の方に多いパターンです。
この場合、基本的にはセルフカラーは向いていません。
暗めがお好みでない。
根元から同じトーンで明るくしたという方はサロンカラーを強くおすすめします。
しかしセルフでの対処療法もあります。
それはセルフでの暗めのカラーです。
毛先の明るい髪を根元の黒髪に近づけるイメージになります。
その際、市販品の黒染めを使ってしまうと以後のカラーに支障がでます。
なのでその場合は、暗めのカラーバターを使うのが良いかと思います。
元々のプリンは確実に良化します。
そしてもし仮に、思ったような色にならなかったとしても、以後のカラーの支障は少ないです。
数週間後にはカラーバターがいい具合に抜けていますので、サロンでやり直す事も十分可能です。
余談
カラーをしたいけど自分で出来るのか?
自分でどこまで染められるのか?
そういった方の一つの目安になればと思い、私なりに記述をさせていただきました。
カラーをするのにサロンにいけば、間違い無いのは事実です。
今回お話ししたように、セルフカラーでは難しいケースもたくさんあります。
しかし一人一人色々な事情がありサロンに行けなくて、カラーがしたいのに出来ない。
そんな方も世の中にはたくさんいらっしゃる事も事実です。
幼き日のわたしの母も経済的な理由と病気でカラーは年に一回しかできず年中白髪まじりの髪でした。
色んな考え方があっていいと思うのですが、私はダメージが大きい、色味がおかしくなるといった脅し文句でサロンカラーにお客様を縛りつけたくないと思っています。
自分でやりたいという気持ちがあるのなら、自分で可能な事は自分でする。
そしてあなたの大切な時間やお金をもっと別の大切な事に使う。
私はそういう考えがあっても良いかと思います。
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